セルフ・イノベーション

 PIの基本的考え方の3つ目は、「セルフ・イノベーション(自己変革)」である。プロとしての能力、役割も環境の変化によって、求められるレベルや内容が変わってくる。したがって、常にブラッシュアップして環境変化に対応していかなければプロとしての地位を保てない。


 技術革新の進展、経済活動の情報化、サービス化ソフト化の進展、価値観の変化、国際化等々の急激な変化が、これまでに身に付けてきた知識や技術の変革を迫ってきている。それに気づかなかったり、気づいても今までの考え方、やり方にいつまでもこだわっていたり、変化の受け入れを拒んでいると、取り残されてしまうことになりかねない。


 魅力ある人であり続けるためには、変化に果敢に挑戦し、より高いレベルのハタラキができるよう能力を伸ばしていくことが大切である。

 これは一個人のだけの問題ではなく、企業にとっても同様である。同じような製品を同じようなやり方で作ったり、売ったりしていては、変化している社会のニーズに応えられず、社会から抹殺されることになろう。社会の一機関である企業が、社会の変化の中で生き残っていくということは、社会が必要とする製品・サービスを提供し続けていかなければならないのだ。そのためには、それまでの本業をシフトしていくことも必要なのだ。

 個人にしても、企業にしても役割の変化に敏感に反応して、今までのものを捨てたり、新しい価値を創り出すことが大切である。


 本来生命(いのち)のハタラキは、変化そのものであり、生成化育を繰り返しながら成長していくのである。あるものがその状態・姿を変えて他の状態・姿に変化することをいうが、さなぎが蛾になり、食べたものが人間の肉体になり、子供が大人になるようなものである。人間の体を構成する細胞や組織が早いもので2~3日で、最も長い骨や歯で15年くらいですべて入れ替わってしまうのである。つまり、毎日毎日の新陳代謝によって、いのちそのものを維持しているのである。逆に、新陳代謝がうまく行われないと死に至ってしまうのである。


 変化こそが、いのちの、人間の本性であればこそ、変化を恐れず、変化をチャンスととらえ、それに果敢にチャレンジする”セルフ・イノベーション(自己変革)”が大切である。